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『判決による登記』-登記義務者(売主などの現登記名義人)が協力してくれない場合の登記手続

不動産登記手続きは、原則として、登記権利者(買主等)と登記義務者(売主等)が共同して申請する必要があります

しかし、何らかの理由によって、一方の協力が得られない場合もあります。

その場合にはどうすればよいのか判決による登記』手続きについてご説明します。


結論から言いますと、

①登記手続きを拒むなどして協力を得られない相手に対して、登記手続請求訴訟を起こし、確定判決等を取ります

②その確定判決等を添付書類として単独で登記を申請します。


注意点として、単独登記の添付書類として認められる確定判決等は、一定の要件を充たしている必要があります


具体的には、以下の通りです。

登記義務者に対して、判決主文中で、一定内容の登記手続を命ずる判決であること。

給付判決であること。

確定判決の正本であること。


また、相手方の住所が変わっているような場合には、前提として登記名義人住所変更の登記が必要となります。

その場合は、債権者代位権に基づいて、相手方に代わって住所変更の代位登記をすることになります。


住所変更に関して当職が扱った特殊な事例として、相手方が現在滞在している場所が住民票上の住所と異なるケースがあります。

今居る場所を現住所と捉えると、前提としての住所変更登記が必要になりますが、それには住民票などの公的書類で現住所を証明しなければなりません。

しかし、住民票には古い住所が記載されているため、前提としての住所変更登記ができず、結論として、せっかく判決を貰っても所有権移転登記をすることができないということになります。


このような場合、今居る場所を現住所ではなく「居所」と考えて、訴状には住民票上の住所(及び登記記録上の住所)と併記して作成します。


そのうえで、管轄の法務局と相談をして、登記手続きを行うことになります。


登記手続請求訴訟は登記手続きの前提として行うものですので、訴状の作成は登記及び裁判手続の専門家である認定司法書士に相談するのが確実です。