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相談事例 Q&A

Q.現在事業を行っていない会社について

 

現在営業をしていない会社があり、税務署への申告はしているが、そのままにして問題はないでしょうか。

 

A.

会社法上、取締役等は2年任期となっている(定款の定めにより10年任期まで延長可能)ため、任期が満了した場合やその他会社の登記事項に変更が生じた場合には登記が必要となり、登記を懈怠すると過料の制裁があります。

事業を行っていない会社でも以上のような管理は必要となります。株主総会で定款変更決議などを行い、管理が少ない体制に会社の組織を変更しておくことをお勧めいたします。 


2017/04/17

Q.名義変更の時期について

 

1年前に父が亡くなり、相続人全員で協議をした結果、自分が土地と建物を相続することになった。多忙のため名義変更はしていないが、知人から、ほかの相続人が勝手に登記することも出来ると聞き、心配になった。

 

A.

法律上決められた相続分(法定相続分)通りであれば、相続人の1人がほかの相続人に内緒で登記することは可能であり、その持分を第3者名義に移すことも出来てしまいます。そのようなことがないように、名義変更は早めにする事をお勧めします。


2017/04/03

Q.敷金の返還について

 

2年ほど賃借していたアパートを退去した後、管理会社から連絡があり、壁紙が汚れているため修繕費用を敷金から差し引くと言われた。契約書には、一応、クリーニング代は借主が負担すると記載がある。修繕費用を敷金から引かれてしまうのか?

 

A.

通常の使用によって生じてしまう汚れであれば、借主が修繕費用を負担する必要はなく、敷金から引かれることはありません。

ただし、契約書に「原状回復特約」があり、その特約が有効と判断されれば、例外的に借主の負担となる場合もあります。しかし、当該特約は無条件に認められるものではありません。


2017/02/08

Q.相続分について

 

相続人のうち1人が、生前、被相続人を介護していた。その分、他の相続人よりも多く財産を分配してもらうことができるか?

また、学費を多く援助してもらった相続人がいる場合、その分を考慮されるのか?

 

A.

前者は「寄与分」として、後者は「特別受益」として、相続財産の分配時に考慮される可能性があります。しかし、寄与分及び特別受益として認められるかは事案ごとに異なり、また、相続人間で争いになりやすい事柄です。

これらの事情がある場合、相続争いになりやすいため、遺言を作成しておくのが最善と言えます。


2017/01/11

Q.商人間の売買トラブル

 

生地の卸問屋を経営している。納品先のアパレル業者から、購入した生地の強度が弱く製作した品が売り物にならないため、費用の半分を負担するよう請求された。納得がいかない。どうすればよいか?

 

A.

商人間の売買では、買主は、売買の目的物を受領したときは、遅滞なくその物を検査しなければならず、売買の目的物に瑕疵があることを発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、損害賠償等の請求をすることができない(商法§526)。

本件では、買主が目的物の検査を怠っており、また、売主は注文された品を問題なく納品しただけで、その他の落ち度もないため、買主からの損害賠償請求は認められません。


2016/12/26

Q.売買契約の解除

 

下取りを条件として自動車の購入契約をしたが、後日、もっと高値で買い取ってくれる業者を見つけた。下取りを止めて購入だけしたいと話をしたところ、断られてしまった。購入契約自体を解除したい。

 

A.

この事案では、契約後、一方的な都合による解約ということになるため、認められません。契約内容に違約金などの定めがあればそれに従って解約できる可能性はあります。

また、「手付金」を支払っている場合は、相手方が履行に着手するまでの間に限り、手付金を放棄することによって一方的に解約することが可能です。


Q.連帯保証人の義務

 

アパートの賃借人に頼まれて連帯保証人となったが、5か月分の家賃を滞納しているとのことで賃貸人から請求が来た。支払わなければいけないのですか?

また、今後のことを考えて賃貸借契約を解除することはできるのでしょうか?

 

A.

連帯保証人となった以上、滞納家賃を支払う法的な義務があります。もちろん、支払った場合には主債務者(賃借人)に対して請求することが可能です。

賃貸借契約が相当期間経過して、家賃の支払いを怠り、今後も家賃の支払いが見込めないのに賃貸人が契約を解除しない場合には、連帯保証人に特別解約権が認められています(大判昭和8年4月6日判決)。


2016/12/15

Q.株式会社の設立手続きについて教えてください。

 

A.

大まかに説明をします。

1.まずは会社の目的や役員などを決め、会社の代表印を用意します。

2.次に、会社の「定款」を作成し、公証人の認証を受けます。

  費用:5万円+収入印紙4万円(電子認証の場合不要)

3.続いて、資本金の払込をして、登記手続きに必要な書類を準備します。

4.法務局へ会社設立登記の申請をし、登記が完了したら会社の登記事項証明書を取得します。

  費用:登録免許税15万円

5.その後、銀行口座の開設、税務署へ届出をし、助成金の申請等会社の運営を始めます。

 

以上のうち、2~5の手続は会社設立登記代理業務として司法書士が行うことができます。

※その他、業務を行うために行政の許可が必要な場合には、その手続がひつようになります。


2016/12/09

Q.相続放棄と相続財産の処分

 

相続放棄をする予定だが、服などの遺品を処分したり、アパートの賃貸借契約を解約しても大丈夫か?

 

A.

相続人が相続財産を処分したとき(保存行為、および短期賃貸を除く)には、相続を単純承認したものとみなされます(民法921条1号)。

しかし、財産的価値の無いものを処分(整理、片付け)したのであれば、それは相続財産の処分には当たりません。また、返済期限の到来した債務の支払いや、腐りやすいものを処分するのは、保存行為として処分には該当しないと考えられます。

【相続財産の処分に当たるとされるもの】

 ・相続債権を取り立て、収受領得した行為

 ・株式の議決権行使、賃料振込口座の変更

【相続財産の処分に当たらないとされるもの】

 ・遺体や見回り品、僅少な所持金の受領。遺産による葬式・火葬費用、治療費の支払い

 ・被相続人の財産による墓石、仏壇の購入

 ・死亡保険金による被相続人の債務弁済

【判断の分かれるもの】

 ・遺産による相続債務の弁済

 ・遺産分割協議

 ・遺品の形見分け


Q.自動車の点検・修理について

 

自動車の全体的な点検と必要な修理を業者に依頼した。

しかし、その後、すぐにエンジンが故障してしまい交換が必要となった。

業者に対して修理費用を請求できますか?

 

A.

自動車全体の点検・修理を依頼したということですので、そこにはエンジンも含まれていると思われます。

修理業者がエンジンの不具合を見落とし、必要な修理を怠ったということになれば、契約違反として修理費用の請求が可能です。


2016/12/07

Q.曾祖父名義の土地について

 

曾祖父名義の土地があり、祖父・父は既に死亡している。

先日、その土地のことで役所から通知が届いたが、どうすればよいか分からない。

 

A.

これまで放置していた土地について、曾祖父・祖父・父の相続に関して相続登記を行い、名義変更をする必要がある。

まずは戸籍を集め、相続人を確定し、誰の名義にするかを話し合います


Q.ネットオークションでのトラブルについて

 

不用品を処分するためにネットオークションに出品し、洋服を販売したが、後日、返品したいと買主から連絡を受けた。

オークションサイトの運営者に問い合わせても、対応はしてくれない。

どうすればよいのか?

 

A.

出品者が特定商取引法等の「事業者」に該当する場合には、購入者が商品等を受け取った日から8日まで解約が可能です(広告で返品に関する特約を定めた場合を除く)。

「事業者」に該当しない場合には、民法の原則に従い、当事者間の契約内容や売買目的物の状態、契約の態様などを考慮し、返品が可能かどうかを判断します。


Q.過払金の請求方法

 

過払金があるかもしれないと考えているが、どうすればよいのか?

 

A.

まずは消費者信用会社などに対して、取引履歴を開示するよう請求をし、引き直し計算をして過払金の有無を判断します。

過払金があるようなら、訴訟などの方法により、不当利得返還請求を行います。


2016/11/09

Q.代償金の分割払い

 

代償分割の方法により遺産相続をする予定だが、代償金を一括で支払ってもらえないため分割払いということになった。支払いが滞った場合、どうすればよいのか?

 

A.

遺産分割協議書に代償分割の内容(金額、支払時期、支払方法など)を明記してください。支払いが滞った場合には、それを証拠として訴訟を起こし、財産の差押えをして未払金の回収が可能です。


Q.賃貸人からの解約申入れ

 

アパートを借りているが、賃貸人から、老朽化により建物を建て替えるため翌月出て行って欲しいと言われた。言われたとおり退居しなければいけないのか?

 

A.

賃貸人から賃貸借契約の解除をするためには、法律上の「正当事由」が必要です。老朽化による建て替えはこの「正当事由」になり得ますが、退居・解約の申入れは6か月以上前にしなければなりません。「翌月出て行って欲しい」という部分は法律上の要件を充たしていないため、無効であり、契約終了日は申入れから6か月後になります。本事例の場合、賃貸人の債務不履行により損害賠償請求が可能です。